2020年1月19日日曜日

Ender-3 Pro の改良

殆どの中華 3D プリンタがそうであるように,Ender-3 Pro は完成された製品というより,組み立てパーツセットみたいなものなので細かいところが未完成な部分がある.ここを自分なりに改良していくのも中華 3D プリンタの醍醐味でもあるので,自分が改造した点を紹介してみる.
(他人が設計したパーツを出力して取り付けるだけの改造は省く)

【フィラメントホルダーのサイド配置化】
標準のフィラメントホルダーはエクストルーダの上にあり,またエクストルーダに対しフィラメントは水平方向に供給するので,フィラメントの曲がりがキツくなり最悪折れる.ここをサイド配置にするのは定番でそれ用のパーツのデータも公開されているけど,自分は L 字アングルの切れ端を使って,フィラメントホルダーをエクストルーダの横に持ってきた.

【フィラメントホルダーのベアリング化】
標準のフィラメントホルダーは回転すらしない固定されたただの筒なので,フィラメントが引っ張られる際にストレスがかかる.なのでここをベアリング化するのも定番で,規格品のベアリングを使ったデータも公開されているけど,自分は家に転がっていたベアリングを流用し,それ用に筒は独自設計し,ボルトで固定した.

【オートパワーオフ】
出力にはたいてい数時間かかるので,出かけてる間とか寝てる間に印刷したいのだけど,電源 SW が機械式なので印刷が終わっても電源が切れない (電気代は微々たるもんだろうけど,ずっと回ってるファンの耐久性のほうが心配w).
なので電源ケーブルにトグルスイッチを割り込ませて,Z 軸のローラーが最高位置にきたときにスイッチ OFF になるような箇所にスイッチを取り付ける.
次に Cura の設定の G-code の終了コードで,以下の Z 位置を最大に移動するコマンドを追加すれば,出力終了時に自動で電源が切れる.
(...省略...)
M84 X Y E ;Disable all steppers but Z

# ★ここ以下を追加
M203 Z50.00 # 移動速度を速めに設定
G1 Z230     # 230mm まで移動
M203 Z10.00 # 移動速度を標準に設定
G1 Z250     # 250mm まで移動

2020年1月12日日曜日

Cura でエクストルーダ・ベッドを同時に加熱する

Cura で吐かれる G-code は,ベッドの加熱が完了しないとエクストルーダの加熱を開始しないので加熱に無駄な時間がかかる.3D プリンタによってはそうする必要があるのかもしれんけど,少なくとも Ender-3 Pro ではその必要はなく,エクストルーダ・ベッドを同時加熱できるはず.
M140 S60 ; ベッド加熱 (突き放し)
M105
M190 S60 ; ベッド加熱完了待ち
M104 S185 ; エクストルーダ加熱 (突き放し)
M105
M109 S185 ; エクストルーダ加熱完了待ち
となっているのを
M140 S60 ; ベッド加熱 (突き放し)
M105
M104 S185 ; エクストルーダ加熱 (突き放し)
M105
M190 S60 ; ベッド加熱完了待ち
M109 S185 ; エクストルーダ加熱完了待ち
とすれば,エクストルーダ・ベッドを並行して加熱してくれるのだが,このコードは以前 blog に書いたスタートアップコードでは書けず,Cura プログラムでハードコーディングされているっぽく,設定で変えることが出来ない.

んーと思ったら,Cura にはプラグイン機能があり色々 python で拡張できるっぽい.プラグインの仕様が多すぎて全貌を把握しきれないのだが,とりあえず PostProcessingPlugin という仕組みで,Cura が disk に吐く直前に G-code を python で好きなように編集できるっぽい.


これを適当な名前で C:\Program Files\Ultimaker Cura 4.4\plugins\PostProcessingPlugin\scripts に置き,
Cura 再起動→メニューの 拡張子→後処理→G-codeを修正→スクリプトを加える→Fast Heating Head and Bed を選択
で,以後エクストルーダ・ベッドが並行で加熱される G-code が出力される.

気をつけるべき点は,
・python を修正時は Cura を再起動しないと反映されない
・python のエラーがあっても何もメッセージ等が出ず,plugin が無効化されるだけ
 →なんか方法があるはずだけど,自分が知らないだけかも
・execute に渡される data は,G-code 1行が 1要素ではなく複数行が 1要素になってるので,初めに data の内容をダンプして確かめたほうが良い

2020年1月2日木曜日

エリーゼ イカリングプロジェクト 完成

あけおめ.前回の続き.

ヘッドライトカバーへの LED 組付けは終わったので,車体側の配線をする.
配線的にはヘッドライト内スモール灯から分岐させるのが一番簡単だが,スモール連動は車検的に多分アウトなので,無難に「その他灯火類」にするためにヒューズボックスから +12V を持ってくる.5番の 7.5A ヒューズがストップランプのヒューズなので,これの横っちょを少し削って電線をはんだ付けした.ヒューズソケットの内側がバッテリー側なので,電線が外側に来るようにすればイカリングもヒューズが有効になる.

またこうするとヒューズ box の蓋が閉まらないので,新たに 3D プリンタで電線が通せるヒューズ box のフタを作った

GND 側はスモールのコネクタから分岐させる中継コネクタを作成した.普通はヘッドライトの金属フレームが GND に落ちているはずと思うんだけど,LED に変えた影響なのかフレームから GND が取れなかった.

で,ついに車に取り付けて完成ヽ(´ー`)ノ
手前味噌ながらめちゃめちゃカッコエエ.もともとヘッドライトのレンズが丸目なので,後付け感があまりないのがよい.

昔は後付イカリングとかガキくせぇとか否定的だったけど,アンダーネオンとかで光らせまくってる人の気持ちが 1ナノメートルくらい理解できるような気がした.

ちなみに消灯時の LED はこんな感じ.
蛍光イエローがいいアクセントになっている.と思い込むことにする.
少なくとも白色カバーレンズよりも数百倍マシなので満足.

エリ S2 はヘッドライトの殻割りの必要がないので,イカリング取り付け自体は楽な部類.ヘッドライト照射範囲も気にならなければ,アリエクで売ってる LED & カバーレンズを接着すれば済むので非常に簡単な部類の作業だと思う.
ただ今回は LED をワンサイズ上げて LED カバーレンズを自作したのでいらぬ苦労をした.
←試作したカバーレンズの残骸.実際はこれの倍くらい作ってるw


ちなみに,自分もパクろうとした GRP のイカリングキットこれの 60mm と 70mm だと思う (自己責任でどうぞ)